【MT4スケールの固定】グリッドを絶対値で固定しよう!

MT4のY軸の目盛はキリ番で表示できないのはご存知ですか?
この記事では、Grid Builderというインジケータを導入後、MT4のプロパティで「スケールの固定」行い、常にグリッドをキリ番、絶対値で固定する方法を徹底解説します。
自動で目盛が変わるチャートは使っちゃダメですよ。


グリッドがキリ番と絶対値で固定化された優れたチャートとは?

2020年10月13日22:30過ぎのGBP/USDチャート1分足です。

私のトレーダー修行時代の手書きチャートの経験を活かし、様々な工夫が反映されたチャートです。

MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」といいます。

常に最小単位のグリッドは5pipsであり、Y軸が50pips幅で固定されています。これを1メートルの手書き方眼紙のつもりで見ています。

MT4というWindows対応の専用アプリケーション(無料)で表示していますが、「スケールの固定」という機能があり、Y軸の絶対値を任意に設定することができます。

しかし、一般に、FXブローカーが提供しているオリジナルチャートは、テクニカル的にどんなに優れたインジケータが使えたとしても、「スケールの固定」機能が搭載されていないものがほとんどです。

【MT4スケールの固定】グリッドを絶対値で固定する方法

MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」の1分足チャートは、上述の通り、Y軸の長さが5pips×10グリッド=50pipsで固定されています。

MT4では、Y軸の目盛が自動生成され、5pips単位、10pips単位、25pips単位などの分かりやすい値(キリ番)で設定することはできません。
キリ番設定可能な「Grid Builder」という有名なインジケータがありますので、こちらの設定を優先してください

下記のページでセットアップ方法を詳細に解説しています。
グリッドビルダー キリ番のグリッド線を設定、間隔を固定できるグリッドビルダー【MT4無料インジケーター】

次に、このグリッドをY軸50pipsで固定します。
下記のチャートは、USD/JPYの1分足で、Y軸が108.750~109.250アラウンドで固定されていることを示しています。
どのような設定をしているか、MT4プログラム内で確認してみます。

MT4チャート上で右クリックすると、上記のようなメニューが開きます。
あるいは、画面左上のプルダウンメニューの「チャート」から開くこともできます。
プロパティ」を選択します。

「プロパティ」ウィンドウが開きますが、デフォルトでは「色の設定」タブが選択されています。隣の「全般」タブをクリックすると、この画面になります。

「スケールの固定」にチェックを入れると、「上限設定」「下限設定」の入力ボックスがアクティブになります。

50pips値幅のレートを打ち込みます。
このケース(相場水準)で適当なのは、「上限設定=109.25」「下限設定=108.75」となるでしょう。もっと分かりやすく設定するならば「上限設定=100.5」「下限設定=100」でも構いません。この場合、現状のレートまで画面をスクロールする必要があります。

「OK」をクリックして設定完了です。

こんなチャートは決して使用してはいけない。

自動調節機能により、Y軸の目盛の単位と幅が勝手に変わってしまうチャート

上記と同時刻のGBP/USDチャート1分足なのですが、どこに問題があるのか、すぐには分からないでしょう。

結論から申し上げると、このチャートもMT4で表示していますが、初期設定のままで「スケールの固定」という機能を使用していません

右端の目盛(グリッド)から読み取るに、1.29700~1.30700あたりまでの約100pipsが表示されています。

当日の値幅は、チャートの右上に「D1/98」とある通り98pipsで、Y軸に大きな赤色の陰線が表示されています。当日の値幅がぴったりと収まっており、よく出来たチャートだと思われるかもしれません。「素晴らしい自動調整機能」であると…。

ところが、全く同じ設定のGBP/USDチャート1分足ですが、翌朝10月14日7:50過ぎになると、こんな表示に変わります。

当日の値幅は、チャートの右上に「D1/4」とある通り4pipsで、Y軸に白色の陽線が表示されています。
右端の目盛(グリッド)から読み取るに、1.29335~1.29425あたりまでの約9pipsが表示されています。

あれ?
前日の夜はY軸100pips幅のチャートが、翌朝にはY軸9pips幅しかありません。

一見すると、翌朝の値動きのほうが大きく見えますよね。しかし、本当は前日の夜の値動きのほうが、約10倍激しかったのです。
これは、「素晴らしい自動調整機能」の落とし穴です。

足元の4pipsのレンジで、収益化が可能でしょうか?

収益は、言うまでもありませんが絶対値で考えないといけません。
しかし、このチャートで示されるローソク足は絶対値ではなく、一日の値幅に合わせた相対値になっています。

相対値ということは、値動きが激しくなればなるほどローソク足が短くなり、相場が動かなくなればなるほどローソク足が長くなります

こんなチャートを見て、直感的にトレードチャンスを認識できるでしょうか?
もちろんできませんよね。

したがって、皆さん、手動で右端のグリッドを調整して、目分量で、普段の自分なりの5pips、10pipsの絶対値の幅に調整して見ていると思います。

しかし、相場が急変して暴騰、暴落が起こったときには調整が追い付きません。いったいどれくらいの値動きがあったのかパニック的に見失います。
そして、1分足の画面を慌てて日足に変更したりして、ようやく事態が把握できる…と、そんな流れになると思います。

一画面で複数の時間軸(周期)を同時表示できないチャート


画像をクリックすると、実際に使用するフルサイズのスクリーンショットを別画面で表示できます。

MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」のGBP/USDのチャートセットです。

1分足から月足までの9周期が全て搭載されていますが、デイトレードで最重要の1分足が右半分のスペースを占めます。

  • 左半分上段には、5分足、15分足が並び
  • 左半分下段には、1時間足、4時間足が並んでいます。
30分足、日足、週足、月足は、左半分の4分割画面の下に回り込んでスタンバイしています(見えなくてもチャートはリアルタイムで更新しています)が、タブをクリックすると前面に表示されます。

1分足から月足までの9周期について全て、個別に全画面表示も可能です。

なぜこんな仕様にしたのかですが、デイトレード以下の時間内のトレードであったとしても、月足からブレイクダウンして1分足までの9周期のマルチタイムフレームでの相場の立体的な把握が必要不可欠であるからです。

相場が反転しやすい重要なリアクションポイントが、GBP/USDのようなボラティリティが高い通貨ペアにおいては、1分足では見切れている可能性が高く、日足以上でようやく確認できることが少なくないからです。

9周期全てで、Y軸の値幅が最適値に固定化されていることは言うまでもありません。

しかし、ほとんどのFXブローカーが提供するチャートは、単独の周期しか表示できません

1分足の急激な変動で変動感覚が狂った場合、例えば日足など、より長期の足に画面を切り替える訳ですが、その際に数秒程度の読み込み時間が発生することがほとんどです。私はこんなチャートでは怖くてトレードを行うことができません。

重要な節目のプライスが水平線で明示されていないチャート

GBP/USDという通貨ペアについて、1.30000というプライスレベルが非常に重要度が高いリアクションポイントであることは言うまでもありません。

したがって、短期トレードで最も注意深く観察する1分足においては、黄色の太い水平線で強調しています。当日安値は1.30000の直前で反発(リアクション)していることが確認できるでしょう。

先述したチャートの自動調整機能では、チャートの目盛をキリ番で表示しない場合もあります。MT4でもグリッドの単位を明確に決めて指定しないと、中途半端な数字の目盛しか刻まれないことになってしまい役に立ちません。

注意
あなたが普段お使いのチャートでは、重要なキリ番のプライスレベルが明示、強調される仕様になっているでしょうか?

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チャートの目盛の変化にだまされないことも大事だけど、相場の基準となる重要なプライスの節目を意識していないことで、相場の方向性を見失ってしまうんだ。

上野ひでのり