【サヤすべり取り】ロスチャイルド家繁栄の基礎。世界三大利殖のひとつで「サヤ取り」の一種

世界の金融を牛耳るロスチャイルド家の財産の基礎を築いた世界三大利殖のひとつ「サヤすべり取り」をご存知ですか?
「サヤ取り」の一種ですが、売買両建てではなく新甫発会した先物を売り続けるだけのシンプルなトレード手法です。
この記事では、現代に応用するための基礎的な条件を徹底解説します。


世界三大利殖とは?

  1. サヤ取り
  2. サヤすべり取り(ローリング)
  3. オプションの売り

「オプションの売り」のみ、参照記事がないので、ここで簡単に説明しておきます。

オプションは生命保険や損害保険と同じ仕組みです。
権利行使の機会が訪れず、プレミアム(保険金)が無駄になったほうが、望ましい訳です。

金融商品の相場で起こっては困ること(暴落、暴騰)のリスクヘッジのためにオプションを買います。
満期日に権利行使価格で、売ることができる権利がプットオプション、買うことができる権利がコールオプションです。

オプションの売りとは、オプションの販売者、引き受け手、つまり保険・損保会社と同じ立場になることです。
買い手がプレミアムと呼ばれるオプション料を支払いますので、これで儲けるのがオプションの売りの優位性です。

しかし、通常では起こり得ないような大暴落、大暴騰が起こってしまった場合には、オプションの売り手のリスク、損失は無限大です。
巨大地震や風水害が起こったときに、保険・損保会社が大損失を被るのと同じ理屈です。

儲かる可能性が非常に高いが、万が一想定を大幅に上回る相場変動があった場合、大損失になるリスクもあるトレード手法です。

「サヤすべり取り」(ローリング)は、巨大財閥ロスチャイルド家の財産の基礎を築いた利殖術

ユダヤ系ドイツ人のロスチャイルド家は、18~19世紀の昔より銅山を経営しており、銅の現物価格の変動リスクをヘッジするために、銅の先物市場で、先物を売って早めに利益を確定していました。

加えて、投機的に先物をショートしており、これを「サヤすべり取り」(ローリング)といいます。
トレード手法としては非常に単純で、銅の先物が新甫発会(しんぽはっかい)するたびに、先物を売り続けるだけです。

新甫発会とは、先物取引が始まる日です。終わりの日は納会です。

サヤすべり取りでは、納会までショートポジションを保有し続け、現物を渡すのではなく、差金決済で利益確定します。

商品先物価格は、コンタンゴ(順ザヤ)になることが通常です。
6か月から1年先の商品の価格は、商品の保管料がコストとして付加されるので、期近より期先のほうが価格が高くなります
原油や穀物のような劣化しやすい商品の場合、特に保管料がかさむので、コンタンゴの状態が強まると言われます。

納会が近づけば近づくほど、保管コストが小さくなり最終的には現物価格に収れんしていくのが、商品先物市場の特徴です。

「サヤすべり取り」の例 ゴム(RSS3)先物

日本取引所グループ(大阪取引所)に、ゴム(RSS3)という商品先物が上場しています。

6限月6か月制で、2021年4月16日現在、1番限(当限)が2021年4月、6番限(先限)が2021年9月になります。
6番限の建玉残高が5,773枚なので、日本の商品先物の中では、比較的、活発に取引されています

コンタンゴ(順ザヤ)

サヤチャートで、4月限(赤丸の当限)、5月限、6月限、7月限、8月限、9月限の価格が示されていますが、先にいけばいくほど価格が右肩上がりになっているのが通常の状態であり、コンタンゴです。

今からあなたが、ゴム(RSS3)先物の「サヤすべり取り」で利益を上げたいと思ったら、このようなトレードを行います。

  1. 2021年10月限の新甫発会日を待つ
  2. 2021年10月限を売る
  3. 6か月間キープする
  4. 6か月後の納会前に差金決済で精算する
  5. 6か月間で値下がりした値幅分が利益になる

2021年10月限が6か月後の納会までに、どれくらい下落するかは現状では分かりません。

そこで、もうすぐ納会を迎える当限の4月限について、新甫発会から今までの価格推移を見てみます

新甫発会直後に280円程度で売ることができました。即急落したので、すぐに利益確定しても良いのですが、納会近くまで持ち続けたとします。
220円程度の相場なので、そろそろ手仕舞いするとすれば、「280円-220円=60円」の利益になります。

ゴム(RSS3)の呼値は0.1円、倍率は5,000倍なので、「60円×0.1×5,000倍=30,000円」の利益になります。
必要証拠金は93,000円程度なので、証拠金に対する利益率は6か月間で32.2%になります。

2021年に「サヤすべり取り」を始める際に気を付けること

  • 日本の商品先物市場が縮小しており、取り組める銘柄が少なくなった
  • 加えて、出来高が小さくなり、流動性が低めである
  • コロナ渦の特殊な環境下で、現状ではコンタンゴの銘柄が少ない

本来は、原油、ガソリン、トウモロコシなどを例示したかったのですが、ゴム(RSS3)以外は逆ザヤ(期近より期先の価格が低い)になっており、諦めました。

「サヤすべり取り」は確かに優位性が高いトレード手法なので、ぜひ挑戦してみてください。

この記事で例示した「ゴム(RSS3)」を主力とし、原油、ガソリン、トウモロコシなどが正常な状態、コンタンゴに戻るのを待ちましょう。

日本の商品先物市場である程度練習してから、米国の商品先物(コモディティ)市場で勝負するのもおすすめです。

最近は、CFDで限月ごとのトレードができる日本のブローカーが増えてきましたので、日本とは比べ物にならないくらい巨大な米国の商品先物市場を主戦場にすることも可能です。

ラリー・ウィリアムズやジョー・ディナポリなど、著名な米国のトレーダーは、皆、商品先物市場で莫大な資産を築きました。
商品先物市場は、株式市場と比べて、理論的で値動きが予測しやすいという特徴があります。

一緒に始めたい原油とガソリンの「限月間サヤ取り」と「クラック・スプレッド」

ゴム(RSS3)の毎月、新甫発会する先物を売り続け、6本のポジションを保有するだけでも十分な収益になると思いますが、せっかく商品先物取引を始めたのなら、別の優位性が高い方法も試したいという方がいらっしゃると思います。

おすすめの方法は確かにあります。詳細は、下記のページをご覧ください。
商品先物の限月間サヤ取りと石油のクラック・スプレッド

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サヤすべり取りと個人での実行方法
自社玉とポジションが同一で、プロの秘法といわれる「サヤすべり取り」とはどういうものか。
それを個人で行うには如何なる注意が必要か。資金、売りはじめ、乗り替え、売り増しから玉の撤収まで詳細に解説したもの。(技術書)

69.ヨーロッパ財閥のさやすべり取り
(1)ヨーロッパの財産運用
(2)サヤすべりの問題点
(3)山種のやり方はサヤすべり取りである
(4)商品相場の原点
(5)サヤすべり取りは鉱産物が有利といえる

資料
サヤすべりの計算 ゴムを15年間売り続ける
1.史上最高値への上げ相場
2.限月毎の損益

詳細は、引用元のパンローリング社のサイトをご覧ください。(PR)


商品先物のサヤ取りは、個別株式のサヤ取りと比較すると、はるかにダマシやノイズが少なく、理論的な値動きをするため、非常に取り組みやすいです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

上野ひでのり