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FXのサヤ取りに関する世の中の間違った認識を正します。


本当に優位性が高いFXのサヤ取りの具体的な方法を知りたいですか?
とても簡単です。
本記事では、ある条件の通貨ペアをそのまま売買するだけでOKという理由を説明します。
無意味、有害な方法が堂々と公開されているので決してマネしないよう注意してくださいね。

目次

FXのサヤ取りほど、様々な解釈が存在する概念はない

そもそも「サヤ取り(鞘取り)」とは、どんなトレード手法なのか?

サヤ取り(鞘取り)の定義は下記の通りです。

参考 希代の大相場師・林輝太郎氏の「サヤ取り(鞘取り)」の分類と特徴プロ為替ディーラー上野ひでのり公式サイト

実は、その他に「サヤすべり取り」という方法もあって、新甫発会(しんぽはっかい)したばかりの先物を片張りで売り続けるだけです。

先物は期先の限月にプレミアムがついて高くなるのが通常で、「コンタンゴ(順ザヤ)」といいます。
納会までに、このプレミアムの剥落(先物価格が下落して現物価格に収れんする)を狙うのが「サヤすべり取り」です。

必ずしも売買両建て、ペアトレードではない

世界的大富豪ロスチャイルド家発展の礎になったのは、銅の「サヤすべり取り」であるのは有名な話です。

「サヤ取り=売買両建て」ではないことを基礎知識として覚えておきましょう。

「サヤ取り」は、異銘柄(特に個別株式)の売買両建ての「両外しサヤ取り」を指すことが一般的ですが、片張りトレードもサヤ取りの類型のひとつです。

実はロスチャイルド家は、銅山の経営を行っており、現物の銅の価格変動リスクをヘッジするために、新甫発会(しんぽはっかい)したばかりの期先の銅の先物を売っていました。

純粋なトレード手法としての「サヤすべり取り」は現物に基づかないケースを指し、片張りの差金決済で将来のプレミアム分のサヤを抜いていくトレーダーが現在でも数多く存在します。

完全に間違った方法と無意味に近い方法

さて、今回、まことしやかに紹介されているFXのサヤ取りの大きな間違いを一刀両断するにあたり、その手法は下記のように分類できます。

  1. 完全に間違っている方法は「(4)両外しサヤ取り
  2. 完全に間違いではないが、無意味に近い方法は「(3)市場間サヤ取り」(※)
(※)実際は「市場間」ではなく「FXブローカー間」ですが、概念は共通します。
為替相場はインターバンクで構成され、取引所は設置されていません。

完全に間違っている方法

豪ドル円とNZドル円の売買両建てトレード(両外しサヤ取り)

同じオセアニア経済圏にあり、資源国通貨同士で、値動きの相関係数が非常に高い豪ドルとNZドルの値ザヤを取ろうという試みです。
その考え自体は間違っていません

しかし、「AUD/JPY」「NZD/JPY」の売買両建てトレードは、コスト(スプレッド負担)的にも、リスクコントロール的にも非常に問題があり、万が一実行している方がいっらっしゃる場合、即刻中止しましょう。

「AUD/NZD」という通貨ペアを売買するのが正解

その狙いを実現したいのであれば、AUD/NZDという通貨ペアがあるので、これを売買するだけで良いのです。スプレッド負担は半分とは言いませんが、片道2/3以下に圧縮できるでしょうし、「/JPY」(クロス円)がダブルカウントされないので、証拠金は半分以下で済みます。

加えて、相場急変に備えて逆指値注文(ストップ)や利益確定の指値注文(リミット)を設定することができます

「AUD/NZD」のサヤ取りの自動売買システムもある

ちなみに、無限に「AUD/NZD」のサヤ取りの自動売買を繰り返してくれるマネースクエアの「トラリピ」というサービスもあり、これは究極のFXシステムトレードだと思います。

トラリピ 【相関係数が最高】トラリピで豪ドルNZドル(オージーキウイ)の長期運用メリットとは?

マネースクエア

あなたが働いているとき、寝ているときも、勝手にサヤ取りを繰り返して、稼ぎ続ける完全自動売買システムです。

完全に間違いではないが、無意味に近い方法

スワップポイントに着目。高金利のトルコリラが人気だがリスクも高い。

FXというのは、通貨ペア間の実勢金利の差額をスワップポイントとして、毎日受け取ったり、支払ったりして、日々ロールオーバーしてポジションを継続していく仕組みになっています。

一例として、高金利通貨として有名なトルコリラですが、トルコの政策金利は現在19.00%(2021年3月18日決定ベース)です。

したがって-0.10%(2016年9月21日決定ベース)の日本の円との組み合わせのTRY/JPY(トルコリラ円)をロングで保有していれば、確かに”トルコリラに対し”高金利が適用されます。

しかし、なぜこんなに高い政策金利を設定しているのでしょうか?

  1. トルコ国債のデフォルトリスクが高く格付けが低いので、利回りを高くしないと資金調達できないから
  2. 格付けが低い理由は、高過ぎるインフレ率にあるから
  3. 高すぎるインフレ率に歯止めがかからないとハイパーインフレを招き、トルコリラの価値が暴落する可能性があるから
年率19.00%の政策金利とトルコリラ暴落リスクは釣り合っているでしょうか?
歯止めが効かないインフレに対して、政策金利はまだ低いと一般には考えられています。

トルコのエルドアン大統領は2021年3月20日、インフレ危機に利上げで対応してきたアーバル中銀総裁を任命から5カ月足らずで解任。後任に高金利反対派を充てました。
いわゆるトルコショックで、中銀の独立性を踏みにじる暴挙です。

19.00%の高金利に基づくスワップポイントを期待してトルコリラに投資するのは、上記のような理由でかなりリスキーです。

売買両建てで変動リスクを封じ、スワップポイントの合計をプラスにする方法とは?

そこで、売買両建てにしてしまえば為替の変動リスクは完全に排除できるではないかと考える人が出てきます。
確かにその通りですが、手数料(スプレッド)分マイナスになる無意味なトレードです。
しかも、同じFXブローカー内では、売買両建てでポジションを持つとスワップポイントの合計は必ずマイナスになります。

下記の例は、2021年4月7日のIG証券というブローカーのトルコリラ絡みの通貨ペアの「売りスワップ」と「買いスワップ」の一覧です。

仮に、売りスワップと買いスワップを足してプラスになっていれば、同じ口座内で売買両建てをするだけで必ず儲かります。
しかし、絶対にどんなFXブローカーでも、そんなスワップポイントを設定しません。
ブローカーが損するので当然です。

ブローカーによってスワップポイントに有意な差があることは事実だが・・・

ところが、ブローカーが独自に設定するスワップポイントに有意な差がある(コスト、利益の乗せかたによる)ため、これを利用とするのが、FXブローカー間スワップポイントのサヤ取りです。

例えば、トルコリラ円において、「A社の買いスワップポイント」と「B社の売りスワップポイント」を足したときにプラスになれば、同額の売買両建てで差額分だけ毎日利益になるという仕組みです。
ただし、そのスワップポイントは、必ず一方の口座でプラス、もう一方でマイナス勘定が続きます。

為替変動の損益は別途発生しますが、2つの口座の損益を通算すれば、プラスマイナスゼロになります。

紀伊國屋文左衛門のミカン船伝説で、産地の紀州では大豊作で安いミカンを、嵐で航路が閉ざされている中、危険を顧みず、ミカンが高騰している江戸に運んで大儲けした話は有名ですが、貿易とはモノの価値の地域間格差で儲けることです。

しかし、現代のITが高度に発展した金融市場において、このような価格差(サヤ)は放置されません。
取引所の違いによって一物二価になっている場合、目ざとい投資家が裁定取引を行い、あっという間にこの差を埋めていきます。

したがって、FXブローカー間のスワップポイントにおいて、一時的にサヤ取りできる程度の有意な差があったとしても、そのうち裁定されてサヤが取れなくなる可能性が非常に高いのです。

理論的にはサヤ取り可能であるが、継続性と投資効率に問題あり

仮に投資に十分な期間でプラスのサヤが発生し続けたとしても、下記のような不都合があります。

  1. 売買両建てなので、2社分、2倍の資金が必要だが、スワップポイントのサヤは小さく投資効率が悪い
  2. よほど資金に余裕をもって行わないと、トルコリラの暴落で買い側のFXブローカーの損失が膨らみロスカットされる可能性がある
  3. 2社分の口座管理が面倒くさく、日々スワップポイントの変動(合計がマイナスにならないか)を心配し続けなければならない

トルコリラがどんなに暴落しようと、売買両建てなので、2社の損益を通算すれば、売買手数料(スプレッド負担)を除いて収支トントンですが、一時的な2社間のスワップポイントのサヤに着目して、わざわざ、こんなに面倒で不確実なトレードを行う意味があるでしょうか?

売買両建てレベルの安全性を重視し、少なめの金利でも構わないのであれば、年間利回り1.5%台の米国10年債に投資することをおすすめします。
米国債はリスクフリー資産と言われ、元本保証でデフォルトリスクは極めて低いです。

為替のサヤ取りで、本当に優位性が高い方法

為替は通貨の交換レートのデリバティブ取引であり、もともとペアトレードである

「AUD/NZD」のサヤ取りで述べたように、「為替サヤ取り」は、異なる2銘柄(通貨ペア)の売りと買いのポジションを同時に建てることを意味しません

為替の場合、リアルな現物をベースにした相場ではありません。
2種類の通貨の交換レート(比率)を示すデリバティブな金融商品です。

トルコがハイパーインフレを招いた結果、デフォルトを宣言してトルコリラが大暴落しても、トルコリラ円の価値はゼロにはなりません。
現在の比率の1/100になるかもしれませんが、無価値ではありません。
必ず交換レートは存在します。

「通貨ペア」という名称が示す通り、USD/JPYでもEUR/USDでも、あらゆる銘柄で、最初から、2通貨の売り買い関係が成立しています。
USD/JPY買いは、「USD買い」&「JPY売り」と同じ意味で、もともとペアトレードなのです。

2020年3月のコロナ渦の乱高下を経て、USD(米ドル)とJPY(日本円)の値動きの相関は徐々に高まり、2020年半ば以降は相関が高すぎて、値動きが102円台~105円台レンジで非常に限定されました。

米ドルの強さが勝って105円台に戻せばUSD/JPY売り、円高が進んで103円を割り込めばUSD/JPY買いと、レンジ両端からの反発を狙うサヤ取りそのものでした。

2021年現在のドル円は、本来のレンジの値幅を取り戻しつつあり、100円~115円が想定レンジとなり、大地震、戦争などよほどの有事が起きない限り、このレンジを外れることはありません。

その性質を利用するのが、ドル円のトラリピ運用です。
これも優位性が高いFXのサヤ取りの一種です。

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マネースクエア

通貨間の相関関係の高さに基づいて行うのが優位性が高いFXのサヤ取りである

優位性が高いFXのサヤ取りでは、USD/JPY、EUR/USD、GBP/USDなどのメジャー通貨ペアを単一の銘柄と捉えて売買はしません。
常にペアになっている通貨同士の強弱関係、相関を意識して、値動きの方向感や折り返しポイントを考え抜くトレード手法です。

メジャーと呼ばれる通貨ペアでは、どれも相関係数は高いです。
先進国の経済は密接に結びついているので、自然とそうなります。

ドルストレートの相手通貨として、ユーロ、円、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルなどは、米ドルとの相関係数が高いです。
しかし、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ、ブラジルレアルなどは相関が低くなります。

優位性が高いFXのサヤ取りとは、USDを軸として、相手通貨との強弱関係と相関について精緻な分析を加えた上で、通貨ペアトレードを行うという理論およびトレード体系であるとご理解ください。

したがって、相関が低い通貨ペアをトレードの対象とはしません

【結論】FXのサヤ取りとは、流動性と相関係数が高い通貨ペアを選んで普通に売買することである。

対象通貨ペアとして、おすすめは下記の通りです。
EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD、AUD/USD、USD/CAD、EUR/GBP、EUR/JPY、AUD/NZD

相場の命は流動性なので、下記の記事も参考にして通貨ペアを選定しました。

【為替相場一日の取引量ランキング】1位ユーロドル、2位ドル円、3位ポンドドル

おすすめのサヤ取りツール

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本当に優位性が高いFXのサヤ取りとは、流動性、通貨同士の強弱関係、相関係数に着目して適格な通貨ペアを選定できたら、あとは普通に売買するだけのトレードだよ!

上野ひでのり